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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

左頬の刀傷と眼光…初めて生で見た安藤昇は想像以上の迫力

公開日: 更新日:

「やはり目は怖いですね」と恐る恐る聞いた。

「目は喧嘩の道具みたいなもの。若い頃から鍛えていたからな。自然に怖い目になった。でも、女にはやさしいよ」とまた笑った。確かに笑顔はやさしい。人間、誰でも笑うのに、安藤が笑うことが不思議に思えた。話すと馴染みやすい人だった。自叙伝を書いたことがきっかけで映画界に入った。

「俺に演技なんかできるわけないが、自分の話だから地で行けた。演技の必要なく、“実録”を付けてくれたから、培ってきた地で行けたよ(笑い)」

 初主演映画「血と掟」は大ヒット。配給先の松竹は異例の2000万円で専属契約したが、途中、安藤は勝手に東映に移籍。五社協定(他社の作品に出られない)違反と言われたが、「俺はそんなものは知らん」と罷り通ってしまった。

 というより「怖くて注意できなかった」という逸話もある。改めて話を聞くと、「最初に契約した時に言ってくれよって話。別に約束を破ったわけではない」とまた笑った。取材を機に後日、たまに飲むようになった。行く店は決まっていた。

 まだ竹下通りに若者がいなかった頃の原宿の路地裏にあった小料理屋。70年代のドラマ「時間ですよ」に小料理屋の女将として出演していた篠ひろ子とかぶるような和服の美人女将がいた。芸能記者の性で、関係を聞きたかったが、そんな質問は安藤には野暮なことだと思った。

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