憎まれ役の山田耕筰は志村けんさんの笑顔で最後に救われた
■実は山田も福島人脈の一人
「エール」のテーマの大きなひとつが東日本大震災で疲弊したままの福島復興支援。盛り上げ役としては福島三羽ガラスの古関裕而(ドラマでは古山裕一=窪田)、野村俊夫(村野鉄男=中村)、伊藤久男(佐藤久志=山崎)の3人が中心だが、実は山田耕筰も福島人脈の一人。東京生まれの東京育ちとなっているが、幼少の一時期、福島市で暮らしていた。元々、山田の両親は福島藩士の家柄。父は福島藩の飛び地である三河(現愛知県刈谷市ほか)で藩医を務める家系。母は藩の馬術指南役の家系だった。
数多くの福島県人が登場した「エール」だが、思惑通りにはなかなか復興支援につながっていない。コロナ禍の中で、ドラマに合わせ企画されたイベントも、中止や縮小が余儀なくされている。とても残念といわざるをえないが、福島から音楽界にこれだけの人材を輩出してきた事実がクローズアップされたのは大きい。誇りを取り戻し、地元に帰ろうという人が増えればと切に願う。