映画「無頼」上映記念特別対談 主演松本利夫×井筒和幸監督
井筒和幸監督の映画「無頼」が12月12日から上映が始まった。裏社会の男たちを通して激動の昭和史を描いた作品で、コロナ禍による延期を経てようやく上映に至った本作の見どころを、主演の松本利夫(45)と井筒監督(68)が語った。
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――上映が半年延期になりましたが。
井筒「8年ぶりの映画で、宣伝も気合を入れていたからガックリきたね」
松本「僕も3月に出演していた『星の大地に降る涙 THE MUSICAL』が途中で公演中止になりました。49ステージの予定が8ステージで終演。ショックでしたね。今も仕事はコロナの状況次第でどうなるかわからないというのがつらいですね」
――コロナ禍で生活に変化は?
松本「酒を飲む機会は減りました。オンライン飲み会はなんかしっくりこないし。家で息子と遊ぶほうが新しい発見があって面白いです」
井筒「監督なんてもともと無頼の徒だから変わらないな。でも酒はやめた。今はもっぱらジュースですよ、これじゃ無頼といえないか(笑い)。子供はいくつ?」
松本「今4歳半です。『要るか要らないか』『良いか悪いか』がはっきりしてるし、“お金ってなに?”とか根本的な質問をしてくるんです」
井筒「そのうち、両極の中間に人生の機微があるのがわかるんだよ。それをいかに教えてあげるかが大人の役割でもある。そういう意味で父親の果たす役割は大きいな。裏社会に入る連中の多くは家庭に問題がある。妻子を養うことのできない甲斐性なしで、だらしない父親に捨てられた子供がグレて裏社会に入る例は掃いて捨てるほどありますよ」
松本「無頼とつながるところですね」