映画「無頼」上映記念特別対談 主演松本利夫×井筒和幸監督

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今とは正反対の「重さ」がある人間群像

――芸能界も這い上がるという意味では似ているが。

松本「そうですね。ただ主人公たちは選択肢がなかった。僕は多様な可能性から選んだけれど、昭和の時代、社会の底辺で這いずり回っていた彼らには裏社会に行くしか道がなかったと思います。それがわかるだけに、それこそ命がけで取り組んだ映画です」

井筒「平成なんて空っぽの時代だった。荒々しくうごめく無頼漢たちを通して昭和という時代を逆照射したい。『仁義なき戦い』と『ゴッドファーザー』を足して2で割った映画や」

松本「今とは正反対の『重さ』がある時代です。ずっしりとした存在感たっぷりの人間群像を見てほしいですね」

取材・文=山田勝仁

▽井筒和幸(いづつ・かずゆき) 1952年、奈良県生まれ。映画監督、映画評論家。代表作に「ガキ帝国」「二代目はクリスチャン」「犬死にせしもの」「パッチギ!」などがある。本紙コラム「怒怒哀楽劇場」(毎週金曜)を連載中。

▽松本利夫(まつもと・としお) 1975年、神奈川県生まれ。2001年、EXILEのパフォーマーとしてデビュー。15年にパフォーマーを勇退し、俳優、タレントとして活躍。

■戦後の焼け野原の中からのし上がってきた一人のヤクザを主人公に、日本の“戦後50年”とは何だったのかを問うアクション活劇。松本利夫のほか、柳ゆり菜、中村達也、木下ほうかラサール石井らが出演。新宿K’sシネマ、池袋シネマ・ロサ、横浜シネマ・ジャック&ベティほかで上映中。

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