西田敏行「俺の家の話」車椅子姿の裏にある満身創痍の覚悟
それでも出演オファーを受けたのは、長瀬の存在が大きいという。長瀬とはドラマ「タイガー&ドラゴン」で落語の師弟関係を演じた05年以来、意気投合。その長瀬が3月末でジャニーズ事務所を退所することで今回が最後の作品、最後の共演になる可能性もあり、ふたりでもう一花咲かせようと奮い立ったのだそうだ。
■「死ぬまで現役」が夫の本望
そんな西田を献身的に支えるのが妻の寿子さんである。ベテラン芸能記者の青山佳裕氏は言う。
「奥さまの寿子さんは死ぬまで現役の役者であり続けることが夫の本望であると理解されているので、きつい現場へと臨む西田さんを励ますことこそあれ、止めることはないと思います。もう十分すぎるほどのキャリアを積み重ね、蓄えの心配など無用でしょう。しかも、今回はリアルな西田さんとかぶり、老醜をさらすようなシビアな役どころともいえる。それでも仕事を選んだということだと思います」
寿子さんは元女優で、西田は劇団「青年座」で出会い、一目ぼれ。下積み時代から西田を支えるためにアルバイトを掛け持ちし、74年に結婚するとともに家に入り、2女を育て上げた。