「太陽の蓋」リバイバル上映大反響 原発震災を忘れた人へ
東日本大震災からまもなく10年――。映画「太陽の蓋」がユーロスペース(東京都渋谷区)でリバイバル上映されて話題だ。震災で発生した東京電力福島第1原発事故でパニックに陥った首相官邸と新聞記者らの葛藤を描いた劇映画だ。初上映は2016年。フィクションとはいえ、関係者の聞き取りと文献調査をもとに映画は製作されている。
上映後はトークショーもあり2月27日には作家の室井佑月氏が登場。福山哲郎参院議員(11年時は内閣官房副長官)が登場した28日の会は満員だったという。3月6日から11日までは、主演の北村有起哉に加え、山本太郎や当時総理だった菅直人各氏も登場予定だ。
プロデューサーの橘民義氏は「この映画の最大の目的はあれだけの世界的大事故を記録として残すということです。そのために劇映画の手法を用いて官邸の内幕も描きました。10年前のことを忘れてしまっている人もいると思いますが、今の若者のようにそもそも当時なにが起きたのか知らない人たちは大勢います。会場の反応を聞いて、この映画は年月が経つほど意味が出てくるのだなと思いました」と話す。
米ハリウッドなどでも歴史検証的な力作は少なくない。この映画も貴重な一本になるのだろう。
詳しくはユーロスペース(℡03・3461・0211)まで。