夏ドラマに恋愛ものが7本も…意外な“仕掛け人”と横並びの弊害
最後は編成スタッフの“センス”が決め手に
さらに夏ドラマには、「King&Prince」の岸優太らジャニーズ事務所タレントが数多く出演している。キャスティングもデータ頼みだから、ユーチューブの再生回数、楽曲ダウンロード数などから選ぶと、ジャニーズになるというわけだ。
ただ、ビッグデータ・AIがこんなドラマがヒットしそうだよと分析しても、必ずしもそうならないのが面白い。いや、むしろ外れるほうが多いのだ。
「春ドラマでは『ドラゴン桜』(TBS系)が視聴率ダントツで、7本もあった編集者ものはすべて1ケタ台と惨敗でした。ドラゴン桜は16年前のヒットですが、クイズ番組『東大王』(同)が人気となっているので、いま続編やったら面白いんじゃないのという発想でしょう。去年の秋ドラマも、視聴率トップは乱立した食べ物系でなく、『七人の秘書』(テレビ朝日系)でした。これは、『半沢直樹』(TBS系)でウケた“土下座シーン”の痛快さをいただいたのが勝因です。どんなにデータがあっても、最後は編成スタッフの“時代の気分を嗅ぎ取るセンス”なんです」(テレビ誌編集デスク)
で、当コラムの夏ドラマの推しは「白い濁流」(NHK・BSプレミアム)。データ捏造、贈賄、研究費流用などが横行する大学・研究機関、医療・医薬業界の裏側を、リアルに描くという。
(コラムニスト・海原かみな)