東京五輪テレビ中継は何もかもが前代未聞…盛り上げたいけどハシャげないジレンマ
オリンピック放送はどこまで盛り上がっていいのかなあ――テレビ各局の困惑が目に見えるようである。国内世論、専門家の警告、海外メディアの皮肉を蹴散らして、東京オリンピック・パラリンピックは無理押し開催されるが、天皇も新型コロナ感染拡大を「ご懸念」していると拝察されるのに、能天気にはしゃげばヒンシュクを買う。とはいっても、世界最大イベントの何十年に1回の国内開催だ。テレビ局としては、親会社の新聞社は大会オフィシャルパートナーだし、視聴率のためにも、CM営業のためにも、とことん派手にやりたい。
「NHKは和久田麻由子と桑子真帆、日本テレビは有働由美子、TBSは安住紳一郎と、看板アナ・キャスターを投入して、どこも開局以来の五輪態勢を敷いています。ただ、始まってみたら国民はまるでシラけてた、なんてことになるんじゃないかと、内心はビクビクですがね」(テレビ雑誌編集デスク)
世論調査で中止・延期が7割以上というのは、そもそも東京開催に関心が薄いということで、開会式をはさんだ4連休も、観光地はどこも予約でいっぱい。夏休みやレジャー優先で、オリンピック観戦は二の次というわけだ。そんななかで、テレビばかりが「ガンバレ日本!」と絶叫していたら浮きまくる。