高まるガード、ハードル、批判…現代の“要塞都市”に住まう大物を追う!
それはオウム真理教事件で、TBSビデオ問題をTBSが認めて謝罪し、ワイドショー「スーパーワイド」を打ち切ったあたりを潮目に変わっていく。ひとたびスキャンダルが報じられると渦中の人物の自宅前や仕事先をマスコミが張り込み、会見するまでそれは続くという展開は今は少なくなり、芸能人の取材の場合、張り込みそのものへの批判も高まっている。
芸能人のガード、取材のハードルの高まりもあるなか、それでも写真誌や週刊誌にスキャンダルなどの写真が掲載されているのはなぜか。直撃によるコメントよりも、動かぬ証拠とばかりに決定的写真を撮るための張り込み手法も進化しているからだ。
「その昔、六本木で夜遊びする宮沢りえを狙い、通りの反対側に車を止めて張り込んだとき、2人のカメラマンのうち、小雨のなか長玉(望遠レンズ)を窓から出して撮影したカメラマンの写真が雑誌に掲載され、スクープとなった。車内から狙ったカメラマンとのわずかな違いが勝敗を分けた。カシャカシャと高速シャッターを切る音をいまも覚えています」
そう、ベテラン芸能記者の青山佳裕氏は振り返る。それはかつての張り込みのシーンで、現在もなくなったわけじゃないが、いまはこうだ。