著者のコラム一覧
井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

さて総選挙「テキトー内閣」と貧乏庶民の対決だ…民主主義は多数決でしかない

公開日: 更新日:

 中国政府は、民意など問題外だ。総裁選ゲームに皆が気を取られてるうちに、中国は芸能界への取り締まりを強化した。低俗で下品な娯楽番組を片っ端から排除し(それじゃ日本のお笑い番組やヤクザ映画なんか売れるわけがないか)、「共産党や国家から心が離れている」芸能人はテレビ、ラジオ出演禁止という恐ろしいお触れだ。いつも中国のことを思ってろ、道徳的で愛国心がないやつは干すぞというのだ。10年前のアベ政権の“美しい国づくりの改憲草案”を思い出すが。精神だけでなく、スタイルや衣装、メークも取り締まる。おまけに「おねえタレント」も出演禁止だと。

 日本のおねえらが北京や上海にロケに行くのもダメなのか、逮捕されるのかな? 有名タレントの脱税摘発も続いている。儲けていた芸能プロが何百社も廃業したとか。大学を出ても官僚や企業のエリートコースから脱落して、芸能界に入って高額ギャラを稼ぐ者を、政府は気に入らず、国民全体が豊かになる「共同富裕」なんていう目標の見せしめにしてるようだ。

 まるで毛沢東の忌まわしき「文化大革命」だ。元から表現の自由などない国だが「おねえ」まで排除されてはいよいよ終わりだ。習独裁政府に、チャン・イーモウ監督や映画人は何も抗議しないのか。香港の若者もおとなしくなった。こんなことは社会主義の本質じゃないのに。怖い国だ。

 さて、総選挙。これは「テキトー内閣」と貧乏庶民の民意の対決だな。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」