五輪反対デモを巡り河瀨直美監督も大炎上 そして「カンヌの申し子」チラつく“政界人脈”

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■「日本は美しい国」

 翌18年には日仏友好160周年を記念してフランスで開催された「ジャポニスム2018」で日仏合作映画をお披露目。安倍氏の代理で出席した河野外相(当時)と一緒に観賞し、当時のやりとりを毎日新聞朝刊(同年8月5日付)に次のようにつづった。

〈エンドクレジットが流れると、会場は拍手に包まれ大臣からは「美しいですね」との感想を受けた。わたしは思わず「はい、日本は美しい国です」と発言していた〉

 美しい国、日本──。かつて、こんなフレーズを繰り返した安倍氏も映画監督になるのが夢だったというから、もしかしたら2人は似た感性を持っているのかもしれない。

 河瀬氏には東京五輪公式映画監督以外に、25年開催予定の大阪・関西万博のプロデューサーという肩書もある。

 日本経済新聞のインタビュー(20年12月23日付)では万博開催の意義を問われ、「0か1かという欧米的な発想ではなく、八百万の神の世界の中で多様性を受け入れてきた日本的な考えを世界に発信することが重要だと思います」と主張。河瀬氏を東京五輪公式映画監督に選んだ当時の大会組織委員会会長が、「日本は神の国」で知られる森元首相だったのは、神のおぼしめしだろうか。

 河瀬氏はカンヌのグランプリ受賞後に甘利経産相(当時)を表敬訪問し、国が映画作りを援助して日本の考えを世界に発信する必要性を訴えている。「体制寄り」といった批判が相次いでいるが、6月公開予定の公式映画で名誉挽回できるのか。

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