(7)「激突!殺人拳」が全米で大ヒット「サニー千葉」の名前が知れ渡った

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 当時、私の空手映画を見て育ったのが俳優のキアヌ・リーブスやサミュエル・L・ジャクソン、監督のクエンティン・タランティーノである。私は現地の様子をこの目で確かめたくて、ニューヨークに飛んだ。人がぎっしり入った映画館以上に驚かされたのは、セントラルパークでのちょっとした事件だった。

 私がジョギングをしていると、数人の黒人が近づいてきた。今と違って、1970年代のニューヨークは治安が悪い。私は緊張し、身構えた。極真空手の黒帯とはいえ、異国の地でトラブルは避けたい。まもなく黒人の一人が口を開いた。

「アー・ユー・サニー・チバ?」

 その口調と笑顔から私のファンであることはすぐに分かった。

「イエス!」

「オーマイガッ!」

 大喜びで彼が口笛を吹くと、10人くらいの仲間が集まってきて、その場で即席のサイン会が始まってしまった。帰国後、私は当時の東映社長・岡田茂さんを訪ね、直談判した。

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