フジ新バラエティー「ぽかぽか」で自虐ギャグ連発の裏側…局内のライバル関係なぜ隠さず?
で、いざ始まると、「ポップUP!」はさらに視聴率を下げ惨敗。「それ見たことか」と第二制作室(旧バラエティ制作センター)は巻き返しを図り、「ぽかぽか」で返り咲いたというわけなのだ。タイミングよく社長も、とんねるずの番組を数多く手がけたバラエティー畑の港浩一氏が取って代わっていた。
「制作現場の力関係は逆転しました。もともとバラエティ制作と情報制作はライバル意識が強いのですが、番組の中でそれを隠さないというのも驚きですね。いまや情報制作センターの失敗をイジるのが、『ぽかぽか』の定番ギャグになってます。まあ、ネタとしては笑えますけど……」(通信社メディア情報担当記者)
では、バラエティー路線への回帰でフジの昼番組は浮上できるのか。
「同時間帯の視聴率トップはテレビ朝日系の『大下容子ワイド!スクランブル』(2022年の年間平均世帯視聴率6.1%=第2部)で、ニュース深掘りが好評ですが、フジは対照的なゆるいバラエティーで“お堅い情報番組はもう飽きた”という視聴者を取り込もうと狙っているんです。かつて、昼休みの社員食堂や定食屋、ラーメン屋のテレビは、NHKの定時ニュースが当たり前でしたが、フジはここにタモリの『笑っていいとも!』で殴りこんで大成功しました。夢よ、もう一度というわけです」(前出の記者)
「いいとも!」の32年間の平均視聴率は11.5%。そこまでは無理としても、「ワイド!スクランブル」と肩を並べるくらいまでは浮上したいところだろう。
(コラムニスト・海原かみな)