小泉今日子もおすすめ! 懐かしの名作がデジタルで蘇る「午前十時の映画祭」
スマホやタブレットではできない体験
2010年の第1回のチケット代は大人1000円、学生500円だったという。しかし、これも現在、各映画館ごとに異なる。たとえば、4月7日からTOHOシネマズ新宿で上映する「ジュラシック・パーク」は大人1500円、シニア1200円、学生1000円。上映時間は「午前中」だ。現代に復活した恐竜が人間を襲う迫力ある映像を、この機会に映画館のスクリーンで堪能するのもいいだろう。
今や映画を見る環境も激変している。スマホやタブレットで「アマゾンプライム」「ネットフリックス」などの動画配信を見る人が多く、ネットフリックスにいたっては倍速視聴もある。さらに映画を10分程度にまとめた「ファスト映画」なども蔓延し、「タイパ」(タイムパフォーマンス)と称して効率化を求めるのが主流となっている。
長年、映画業界に携わってきた武田氏は、この状況についてこう語る。「倍速視聴ですと、ストーリーの確認だけになってしまうのではないか。映画は感情移入したり、自分が登場人物になり切ったりと、普段は体験できないことができるのが面白い。映画会社はそれを実現できる作品を作っていかないといけないし、この機会に評価された旧作を見て体験してほしいですね」
映画の見方は人それぞれだが、ストーリーをなぞっただけでは、映画の醍醐味である非現実や感情移入を存分に体験することは難しいだろう。
もっとも、映画館プロモーション「サンライズ」が首都圏の15~29歳男女に聞いたところ、昨年7月以前の1年間に1回以上映画館に足を運んだ若者は約52%もいる。
今年の映画祭の上映作品は恐竜ものから、「ショーシャンクの空に」(94年)、「グリーンマイル」(99年)、「タワーリング・インフェルノ」(74年)、「男と女」(66年)など幅広い。かつてデートで見た人、劇場での観賞を見逃した人、スマホで見て感動した人にとってもチャンスだ。名作が名作と呼ばれるゆえんを探すなど、映画三昧の日々を送るにはうってつけの映画祭になりそうだ。