追悼・上岡龍太郎さん 希代の芸人美学、現場を魅了した「俺は日本一のハガキ読みになる」宣言

公開日: 更新日:

東はたけし、西は上岡

 毎日放送時代に上岡さんと仕事をした経験がある影山貴彦氏(同志社女子大学教授=メディア論)はこう語る。

「現場でお会いした上岡さんの印象は笑顔がチャーミングな紳士でした。上岡さんの一言で収まり、芸人らしくクスリと笑わせ、これ以上言及できなくさせる痛快な返しは、東がビートたけしさんなら、西は上岡さんと言っても過言ではない、代わる人がいない逸材。今のSNSの炎上騒ぎなど、上岡さんならどう返すのか、コメントを聞きたかった。『芸人から政治家になったやつはたくさんおるけど、政治家から芸人になったやつはおらん。だから芸人は偉いんや』と三段論法でなるほどと思わせてしまう上岡マジック。

『私が天才、上岡龍太郎です』という自己紹介通り、京都出身で、品というか洗練された雰囲気の中に独特の毒があり、頭脳明晰。麒麟川島明さん、カズレーザーさん、甥っ子でもあるミキの2人といった、京都のDNAが流れる芸人たちのルーツではないかとも思います。息子さんが追悼文で“矛盾の塊”と表現していましたが、流れるトークで一刀両断しつつも、どこかに矛盾やツッコミどころが隠れている。そんな“スキ”にこそ関西人が上岡さんを愛してやまない理由があります。余力を残して辞める、引き際の美学、有言実行ぶりは上岡さんの真骨頂。そして私も影響されて会社を辞めた一人でもあります」

 希代の芸人が泉下の人となった。 

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    前田健太「ドジャース入り」で大谷との共闘に現実味 日本復帰より「節目の10年」優先か

  2. 2

    井桁弘恵ショートカットで“山之内すず化”が加速! 「そっくり問題」いよいよ待ったナシ

  3. 3

    大阪万博は開幕1カ月を待たずトラブル続出…場当たり説明でGW後半の盛り上げムードに水を差す協会の大罪

  4. 4

    巨人阿部監督はなぜ田中将大にだけ甘いのか…2試合連続炎上でさすがに二軍調整も

  5. 5

    小田和正「77歳の現役力」の凄み…現役最年長アーティストが守り続ける“プロ意識”

  1. 6

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  2. 7

    ダウンタウン復帰が外部資金でコンテンツ配信のナゼ…松本人志に浮上した疑惑の顛末

  3. 8

    斎藤元彦・兵庫県知事が頑迷に貫く「治外法権」…公益通報を巡る国の勧告もガン無視

  4. 9

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  5. 10

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???