角田信朗さんはトーク番組のひな壇に「格闘家枠」を確立させた“開拓者”
我々世代(60代)の男子は全員といってもいいぐらいにはまったのがブルース・リーのカンフー映画。角田さんもドハマリで何度も映画を見に行って……とここまでならよくあるのですが、好きすぎて「燃えよドラゴン」のセリフを最初から最後まですべて暗記し、これがきっかけになって英語が話せるようになったのだそう。「せやから僕の英語はブルース・リーなまりなんですわ!」と笑っておられました。私の周りにもファンは大勢いましたが、ここまでのめり込んだのは角田さんだけです。
■「K-1」の英文契約書にも目を通す英語力
得意の英語に磨きをかけるため、外大へ進み、実戦空手部を立ち上げて、格闘家の道へ。そして角田さんは海外K-1ファイターのアテンドもされ、日本滞在中のほとんどをサポート。さらに英語で書かれた試合の契約書のチェックなどK-1のビジネス面でも活躍されていたそうです。
格闘家、空手家といえば「口下手」「黙して語らず」という印象を持っていましたが、角田さんはそんな考えを粉々に打ち砕き、視聴者からのお便りやFAXを読めば「体のでかいアナウンサー」かと思うほどよどみなく読み、ロケのリポートも芸人顔負け。さらに関西人特有の「お笑いのDNA」が備わっているとしか思えない巧みなトーク。番組が終わると毎回「今日のしゃべりはどうだったでしょうか?」とダメ出しを求めてくる貪欲な姿勢でトーク番組のひな壇に「格闘家枠」を確立されたのは角田さんの功績だと思っています。
“漫才バカ”の私と違って、何倍もの人生経験をされているであろう角田さん。これからどんなことに挑戦されるのか興味がつきません。