元フジテレビリポーター平野早苗さんに聞く ワイドショー取材の裏側“今と昔”、そしてこれから

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 ──それによる意義もあったと。

「ええ。厳しい質問もしますけど、私たちも鬼ではありません。いい形でお伝えできたこともあったと思います」

 ──実例を伺えますか。

「たとえば昨今、批判を浴びがちな不倫騒動。太川陽介さんが、奥さま(女優の藤吉久美子)の不倫疑惑を報じられ、おひとりで会見されたときのこと。持ち歌『ルイ・ルイ』での振り付けを私たちの前で踊って円満だと強調されたんですね。翌日は奥さまを守り、見事な火消しと称賛の声と見出しがついた。また火野正平さんに新たな女性が浮上したと、京都の太秦撮影所に駆けつけると、どこからともなく現れて、ぱっとプラカードを掲げられたんです。『私はセリフ以外しゃべりません』って。その画(映像)だけでしたけど、人間味があって、どちらもワイドショー的な芸能ニュースだったと思ってます」

 ──今や囲み取材も記者会見も少なくなり、結婚や離婚もSNSで発信されています。


「そういう時代なのでしょう。でも現場に行くと、先日の『ジャニーズ性加害問題当事者の会』の会見では、メンバーの方とライン交換することができました。名刺でも電話番号でもないのが今流ですが、それによってより深く取材する機会にも恵まれます。そうした現場実況も含めて、やっぱり発信し続けたいと思うんです」

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