元フジテレビリポーター平野早苗さんに聞く ワイドショー取材の裏側“今と昔”、そしてこれから
──どう伝えていくか、お考えを。
「反省や、悔しさもあるんです。当事者の会メンバーで、1989年に元Jr.で初めて告発した倉田さんが当時メディアに無視されたとおっしゃったときもそう。どうして取り上げなかったんだろうって。私は現場、現場でしたけど、行けと言われたところに駆けつけていただけで、そのことをあまり深く考えずにいたんですね。それもあって、どのネタを扱うべきか見極めて、しっかりと最後まで相手の話を聞く。また、現場に行って取材しても、放送に出るのは1割くらいなんですよねテレビって。今だから話せるのもあるし、放送内容も時間も制限もないネット番組で、それをそのまま伝えていきたいですね」
──この先もワイドショー的リポートはなくならないと。
「もともとワイドショーはVTRショーというくらい、スタジオを出ての取材をメインにしていました。『とくダネ!』(フジ系)では、それをリポーターがプレゼンする方式で視聴者に伝えました。今は情報番組と言っていますけど、どの現場であれ、各局1クルーが取材すれば良しとして、その素材を全番組で共有するのが主流に。経費のこともあるでしょうけど、かつてほどの熱気で突っ込んだ取材がしにくくなっているように見えるんです。でも、当事者の会メンバーとのお話をしましたけど、誰もがノーコメントではなく、発信したいという人もいる。それを伝えていく媒体はあっていいのではないでしょうか」