著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

正司照枝師匠の謙虚さ、好奇心、探究心にはいつも感心させられた

公開日: 更新日:

 7月8日、1960年代から80年代にかけて上方漫才界で一世風靡された三姉妹「かしまし娘」の次女、正司照枝師匠が亡くなられました。享年91。

 私のような「漫才作家」にとっては、雲の上の存在の師匠でしたが、80~90年代にかけて特番やバラエティー番組で何度もご一緒させていただきました。

 初めてご挨拶をした際に「漫才作家」の名刺をお渡しすると、「いや~! 漫才書いてくれてんのん。うれしいやんか、おおきにありがとう! 頼むさかい、これからも続けて書いてちょうだいね」と最敬礼のお辞儀をされて恐縮したのを思い出します。

 大師匠でしたが、若いスタッフにも気さくに「よろしゅうお願いします。気のついたことがあったら遠慮せんとなんでも言うてね」と声をかけ、共演者が後輩ばかりでも「ウチらが舞台に出てた頃とは時代が違うんやから“新人のオバン”やさかい、勉強させてもらいますよってに」と頭を下げ、共演者が恐縮するほどに謙虚な方でした。

 また番組中に視聴者からの苦情を表現した“再現コント”を見て、コメントした後に「ウチもあれ(コント)やりたいわ。次は出さして! どんな役でもするさかい!」と言ってくださいました。実際にコントに出ていただくと「(吉本)新喜劇の人らとこんなん(コント)すんのん夢みたいやわ!」と喜ばれながらも、リハーサルでは「この言い方(セリフ)変えてもかまへん?」「こう言うた方がよう通じるんちゃうやろか、どうやろ?」と自分なりに変化をつけられたり、セリフにないアドリブを足したりと、台本以上のものに仕上げてくださる。当時60代後半だったかと思いますが、さすがは超一流の芸人さんだと、その好奇心と探究心に感心させられました。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2

    夏の京都に異変! 訪日客でオーバーツーリズムのはずが…高級ホテルが低調なワケ

  3. 3

    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

  4. 4

    不倫報道の福原愛 緩さとモテぶりは現役時から評判だった

  5. 5

    ヒロド歩美アナ「報ステ」起用で波紋…テレ朝とABCテレビの間に吹き始めた“すきま風”

  1. 6

    中日立浪監督「ビリ回避なら続投説」は本当か…3年連続“安定の低迷”でも観客動員は絶好調

  2. 7

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  3. 8

    夏休み到来! 我が子をテレビやゲーム、YouTube漬けにしない「割と簡単にできる方法」

  4. 9

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 10

    新庄監督は日本ハムCS進出、続投要請でも「続投拒否」か…就任時に公言していた“未来予想図”