「ブラックペアン」天城幸彦vs「ドクターX」大門未知子…どっちが手術がうまい?

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「ありえねえ」あの場面

 一方、「ドクターX」(テレビ朝日系)の外科医・大門未知子(米倉涼子)も、「わたし失敗しないので」を決めぜりふに、成功が難しい手術を次々とこなす。

 胃、脾臓、膵臓、肝臓、大腸、小腸などを同時に取り出して処置する多臓器体外摘出腫瘍切除なんていう、世界に数例しかない大手術も手掛けた。医学界のスター医師の手術ミスを難なくリカバリーするなど、こちらも世界レベルである。

「大門センセイは心臓、脳、消化器、脚の切断など、あらゆる臓器の手術ができますが、現実にはそんな万能のお医者さんはいません。天城センセイは心臓が専門ですが、得意なのは診断より血管の切り取りと吻合で、医者というよりものすごく手先が器用な職人です。まあ、どちらが外科医として上かといったら、手術の知識と場数では大門センセイ、手技では天城センセイということになるでしょうかね」(前出の医療ジャーナリスト)

 ところで、どちらのドラマにも外科医が見て「ありえねえ」という場面がある。

 未熟な執刀医が誤って動脈を傷つけ、顔に血しぶきドバーッ、手術室はパニックという大出血シーンだ。

 ドラマでは見せ場だが、実際は飛び散るような出血は出血箇所がわかりやすく、すぐ止血できるのだそうだ。じわじわとどこからか染み出てくるような出血が厄介という。

 それにしても、二宮の天城がどうしても悪魔の悪徳医師に見えない。ワルぶろうとしても、童顔で凄みがないから、ちょっとうぬぼれ屋の人のいい兄ちゃんになってしまうのだ。そもそも、手術後にいつも患者から涙で感謝されてニッコリなんて悪魔、聞いたことないよな。

(コラムニスト・海原かみな)

【連載】テレビが10倍面白くなるコラム

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