BS松竹東急「À Table(ア・ターブル)〜ノスタルジックな休日〜」が高く評価される理由
水曜夜の「À Table!(ア・ターブル)」(BS松竹東急)は、この夏、いちばんおしゃれで、おいしそうで、涼やかなドラマだ。大学職員の藤田ジュン(市川実日子)と漬物メーカーに勤めるヨシヲ(中島歩)は結婚して十数年、いまは東京・吉祥寺近くに住んでいる。
何かが起こるわけでもない平穏・平凡な日々。2人の楽しみは、いつもとちょっと違う晩ごはんを作って食べてみることと、そのための買い物&散歩だ。
前シリーズ「歴史のレシピを作ってたべる」では、シーザーやマリー・アントワネット、ソクラテスら歴史上の人物たちの普段の食事を、自宅のキッチンで再現して面白がった。続編の「ノスタルジックな休日」では、子どものころに家にあった懐かしい料理本をたまたま見つけ、今度はそれを作っている。「暮しの手帖」版「おそうざい十二カ月」「おそうざいふう外國料理」で、50年以上前に一流料理人たちが家庭向けに考えた手早くて安くて粋なおかずの本だ。池波正太郎や向田邦子も愛読して、夕食の参考にしたという。
ジュンとヨシヲもむきえんどう豆の「豆ごはん」、「ねぎと青やぎのからしあえ」、イサキを使った「イタリーふう魚のあみやき」なんかを作ってみた。