東野英治郎 74歳で愛人と入籍した黄門さま
<1982年5月>
独特の高笑いの黄門さまといえば、まず思い出すのは東野英治郎。結婚は遠い昔の1940年のこと。当時、大学に通いながら劇団で活動していた東野は12歳年上の下宿のおかみ、英のさんと結婚した。英のさんはまだ売れない東野の劇団活動を支え、2年後には長男の英心も生まれた。
しかし、俳優活動が軌道に乗り始めた51年、まだ9歳の一人息子と妻の元を去り、テニスで知り合った19歳の学生と同居する。離婚調停も何度か行われたが、夫人はガンとして離婚を拒否。東野は25歳下の内縁の妻と不倫生活を始めた。
まだ幼い英心は母と自分を捨てた父親に反発も覚えたが、東野は家に残した家族を気遣い、毎月20万円の仕送りは欠かさなかった。家に仕送りを届けた帰り、手をつなぎながら駅まで見送る英心に「大きくなったらわかると思うけど、すべて俺が悪いんだ」とつぶやいたという。
一方、女性は東野の個人マネジャーとして活動を支えた。東野は関係者に「ワイフだ」と紹介することもあった。もっとも、東野は俳優座の重鎮で周囲は見て見ぬフリをし、不倫生活が報道されることはなかった。