肝臓がん手術の権威が語る「医者は失敗から何を学ぶべきか」

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■どうすれば患者を救えるかを常に考える

 これまでの手術の記録は全て残しています。時々見直し、大事なことは忘れないようにしています。学会にも出席し、新しいことを取り入れる。医学は日進月歩です。学び続けなければ患者さんを救えません。夜を昼にして勉強しなくてはならない。365日24時間医者でなくてはならない。

 収入や時間外労働なんて考えていたら、外科医は務まりませんよ。僕が東大を辞める時の60歳の給料は39万7000円。でもね、そんなことは関係ないんです。好きなことをしていても、どうすれば患者さんを救えるかを考えています。

 ただ、それはチャレンジは必要だが、万全の体調で取り組まなくてはならない。朝9時から手術が始まり、終わるのは翌朝ということも珍しくありませんが、休める時は休む。そうやってベストの状態に整えるのです。

◇まくうち・まさとし 1946年、東京都生まれ。73年、東京大学医学部卒。国立がんセンター病院、信州大学医学部第1外科教授などを経て、94年、東京大学医学部第2外科教授。2007年から現職。

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