改めて知りたい コンタクトレンズが招く深刻な目の病気
角膜感染症になると、目の痛み、異物感、充血といった症状が表れる。ひどくなると、角膜で細菌がどんどん繁殖して黒目が白く濁り、視力が低下したり失明するケースもあるという。
「角膜に穴が開き、目の中の水が抜けてしまって眼球の形が保てなくなったり、眼球の中にまで細菌が侵入して眼球全体が膿(うみ)だらけになってしまう症例もあります。角膜移植が必要になったり、眼球を摘出して義眼にせざるをえなくなった人もいるのです」(山田教授)
使い捨てコンタクトレンズの普及もあり、日本では8~9割がソフトコンタクトレンズを使用している。これが、さらにリスクをアップさせている。
「ハードコンタクトレンズは、ソフトに比べて酸素を多く通すうえ、ゴミや汚れで角膜に傷がついた時に痛みを感じるため、その時点で使用を控える人が多い。しかし、ソフトコンタクトレンズは、角膜に多少の傷がついても痛みが少ないため、そのまま無理をして使い続け、悪化させてしまうのです」(山田教授)
毎日のように使用するコンタクトレンズは、慣れてくるとついつい扱いがいい加減になってくる。後悔したくなければ、正しい使用法をきちんと実践することだ。