隠れ「脂質異常症」は油断禁物…要注意は健康診断の時季
脂質異常症は、血液中の脂質が多くなり、血管の壁にコレステロールがたまって血管が狭く硬くなる病気だ。自覚症状はないので検査しないと見つからないが、検査で脂質異常症と診断されていなくても、安心できないケースがある。東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科の坂本昌也講師に聞いた。
脂質異常症が恐ろしいのは、放置すると動脈硬化が進行し、脳や心臓につながる血流が滞り、脳卒中や心筋梗塞を引き起こすからだ。
脳卒中や心筋梗塞は、治療が早ければ命は助かるが、後遺症が残ってこれまでの社会生活が送れなくなる可能性がある。もちろん、治療が遅れれば命を落とす結果になる。先日、梅田の繁華街で車が暴走し11人が死傷する事故が起きたが、運転手の大動脈解離が原因になったとみられている。この大動脈解離にも、動脈硬化を引き起こす脂質異常症が関係している。
脂質異常症は、「LDL(悪玉)コレステロールが高い」「HDL(善玉)コレステロールが低い」「中性脂肪が高い」のいずれかに該当する場合、診断される。