いきむな危険! トイレでは脳卒中や心臓病に要注意
実際、トイレで軽くいきむだけで最大血圧が60~70㎜Hg以上、強くいきむと100㎜Hgもアップするといわれている。しかも、便秘で腸内細菌のバランスが壊れ、TMAO(トリメチルアミン-N-オキシド)が増えると、動脈硬化が進むことがわかっている。
「TMAOは、細胞膜の主成分であるレシチンと呼ばれるリン脂質のひとつが、腸内細菌叢によって代謝されてできたものです。TMAOの血中濃度が高いと、悪玉LDLコレステロールが動脈壁マクロファージに取り込まれ動脈硬化巣ができます。すなわち、心血管イベントのリスクが高くなったということです」(東丸教授)
では、便秘による心疾患イベントを避けるにはどうすればいいのか? サラリーマンの病気に詳しい弘邦医院(東京・葛西)の林雅之院長が言う。
「朝起きたら水を1杯飲むほか、日中も水分を多めに摂取しましょう。睡眠をしっかりとり、体をひねるストレッチで腸を動かすことも大切です。食物繊維のほか、ヨーグルト、納豆、キムチなどの発酵食品を積極的に取り、腸内環境を整える必要があります。また、つま先立ちして肛門括約筋を刺激するのも便秘解消の役に立ちます」