いきむな危険! トイレでは脳卒中や心臓病に要注意
便秘と脳梗塞とは一見無関係に見えるが、そうではない。鹿児島赤十字病院の研究報告では、便秘の男性は便秘のない男性よりも心血管イベントのリスクが高いことが報告されている。大阪大学医学部公衆衛生学教室の研究では、排便回数が「2、3日に1度がやっと」という男性は、「毎日排便する」男性よりも心血管死や脳卒中死リスクが高かった。しかも、下剤を使っている人は脳血管が詰まる虚血性脳卒中との関連が強く、使っていない人との比較では女性で1.45倍、男性で1.37倍も高かった。
■水分を多めに摂って便秘対策
とくに夏は脳梗塞に注意が必要だ。寒さで血管がこわばる冬に多いイメージがあるが、国立循環器病研究センターの調査では、1年間で夏が最も多いという。東邦大学医療センター佐倉病院循環器科の東丸貴信教授が言う。
「中高年は高血圧などの生活習慣病やこれによる動脈硬化症に加え、精神的なストレスや運動不足など、心血管イベントのリスクをいくつも持っています。こういう人が便秘になって必死で排便しようといきめば、血圧が上昇し、血管や心臓に負担をかけます。その結果、脳梗塞や脳出血といった脳卒中や心筋梗塞を起こすのです。とくに夏場は脱水で血液が詰まりやすいうえ、エアコンによる冷えで血管が縮まって血流が滞り血栓ができやすい。脳梗塞には気をつけなければなりません」