会社への報告義務なし がんのため仕事を辞めてはいけない

公開日: 更新日:

■相談支援センターが頼りになる

 こう話す宮田さんが、加藤医師とともに強調するのは「混乱時に決断しない」「専門家に相談する」の2点だ。

「いまは、がんであっても入院期間が短く、抗がん剤は外来が基本。これまで通りの生活を送りつつ、がん治療を受けるのが最近の主流です。繰り返しになりますが、がんを宣告され、パニック状態になっているときに、仕事に対する決断は下すべきではない」(加藤医師)

「専門家」とは、社会福祉士など。相談支援センターのあり方や、そこに所属するスタッフがどこまで関与してくれるかは病院ごとに違うが、国立がん研究センター中央病院の場合は、その病院の患者でなくても相談を受け付けている。

「専門家を頼るメリットには、医師と患者さん本人との認識の差を埋める点もあります」

 医師の「大した副作用がない」は、もしかしたら「しびれ程度」の意味かもしれない。しかし、患者の方が「まったく副作用がない」と認識していれば、そのギャップが仕事などに影響が出るケースは往々にしてある。

 2人に1人ががんになるといわれる時代。押さえておきたい知識だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド