作詞・作曲家の中村泰士さん 「嫌な性格」はうつ病が原因
僕は、うつだけが続く「低空飛行型」。しかも、音楽家として地位も確立していたから、誰も逆らえない状態が出来上がってしまったんです。たまたま僕は関西人の旧友が指摘してくれたからよかったけど、孤立していても気づかず、強権をふるって怒鳴りつけたり、社員をクビにしたりしている経営者も結構多いんじゃないかな。
「あなたはクリエーターだから、自分をクリエートしてください。それで大丈夫だと思います」
そう言われ、薬も処方されませんでした。
以来、自分で明るく振る舞うよう心掛け始めた。39歳のときの作詞・作曲した梓みちよさんの「小心者」は、まさに僕の心情を自覚して表現した歌詞でしたね。
42歳で「北酒場」がヒットして、「笑っていいとも!」にレギュラー出演したり、僕のイメージはますます“陽気な”に変わっていった。
91年にご飯を食べて「うまいなぁ~」と大笑いする炊飯器のCMに出演し、明るく過ごすほうが心地よくなってきて、次第に本来の自分を取り戻し、うつが気にならないようになりました。15年前から大阪を拠点に移したら、ますます明るくなりました。