トイレのハンドドライヤーは本当に清潔なのか?
大きなビルなどのトイレには、洗った手を温風で乾燥させる「ハンドドライヤー」(温風手指乾燥機)が設置されています。少し前までは、ペーパータオルで濡れた手を拭くケースが多い印象でしたが、それが温風に替わったのです。
このハンドドライヤーは、これまでのペーパータオルより清潔なのでしょうか? ペーパータオルが、手の汚れをいわば紙にこすり付けるようにするのに対して、ハンドドライヤーは強力な温風で濡れた手を一気に乾かすので、その点では清潔なように思います。
しかし、実はハンドドライヤーは手に付いた水を水滴にして吹き飛ばすので、「細菌などの病原体を含む水滴が周囲に飛び散ってしまう」という問題があります。
最新の多くのハンドドライヤーは、通風部の隙間に手を入れるようにして乾かしますから、以前のタイプよりは飛び散る範囲は狭まっています。それでも実際にはかなり広範囲に飛沫が飛び散ることが、複数の実験によって確認されています。国内外の複数の研究によると、ハンドドライヤーの水受け部からは、トイレの壁の100~1000倍という大量の細菌が検出されています。
一方のハンドタオルは、それよりはるかに少ない菌しか検出されず、しかも周囲への飛び散りもほとんどありません。実はハンドドライヤーは、ペーパータオルより清潔面では“弱点”があるようです。