著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

「3大疾病」による死亡は増えているのか

公開日: 更新日:

■死と縁遠くなった若者たち

 ところが年齢調整を行って高齢化の影響を取り除くと、死亡率は165.3に下がってしまうのです。つまり、がんで亡くなっているのは高齢者ばかりで、現役世代や若年者のがん死はかなり減ってきている、ということなのです。

「心疾患」ではこれがさらに顕著になります。単純な死亡率(男性)は1985年が146.9、2015年では151.0と、若干上がっているのですが、年齢調整を行うと、たったの65.4に下がってしまいます。やはり心疾患で亡くなるのは高齢者ばかり、という構図が見えてきます。

「脳血管疾患」に至っては、もっと極端な数字になっています。単純な死亡率でも下がってきているのに、年齢調整を行うと、1985年と比べて男女とも4分の1程度になります。若くして脳卒中で亡くなる人は、著しく減ったということです。

 3大疾病はすでに克服されつつあるのです。高齢者を含めた全国民レベルで見れば、多死の主要な死因であることは間違いありません。しかし、それは高齢者にとっての「死の病」です。

 現役世代や若年世代にとって、とりわけ脳血管疾患と心疾患は、過去の病気になりつつあるといってもよさそうです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」