現役おくりびとに聞く「現代の死」 増える直葬に違和感

公開日: 更新日:

「父の姿を見ていて幼少の時期から納棺の職に憧れ、敬意を抱き、大学卒業後にこの道を選択しました」

 葬儀社などから「納棺師」の依頼がある一方で、木村氏は韓国、中国、台湾などからの要請で、「納棺」の技術指導を行ってきた。4年前には「㈱おくりびとアカデミー」(本社=東京・日本橋)を設立している。

 業種を大きく2つに分け、1つは納棺師の養成学校、もう1つは3年前に設立した納棺師を実際に派遣する「ディパーチャーズ・ジャパン㈱」(本社=同)である。

 札幌、静岡、新潟、愛知などに7店舗を擁し、この春には都内にもオープンするなど、経営は順調な滑り出しだ。

「ご遺体は病院、自宅、老後施設、警察署、それに大使館を経由して飛行場でも受け取ることがあります」と語る木村氏は近年、少しずつ増える傾向にある「直葬」について、若干の違和感を抱いている。

 直葬とは、亡くなった場所(病院や自宅など)から直接火葬場に搬送される簡素化された葬儀。親族や友人らが参列する「お通夜」の類いをカットする。表現が悪いが、死んだら死亡診断書を受け取り、すぐに焼いてしまうという葬儀だ。葬儀費用の節約や、核家族などの反映で、親戚付き合いにも大きな変化が起こっているのも確かである。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ソフトB悪夢の本拠地3連敗「2つの敗因」…26イニング連続無得点よりも深刻なチーム事情

  2. 2

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  3. 3

    石井琢朗コーチが三浦監督との《関係悪化説》を払拭、「ピエロ」を演じたCS突破の夜

  4. 4

    3人の婚外子…菊川怜の夫・穐田誉輝氏“暴かれたスネの傷”

  5. 5

    ソフトバンク 投手陣「夏バテ」でポストシーズンに一抹の不安…元凶はデータ至上主義のフロントか

  1. 6

    橋本環奈のパワハラ疑惑のこと? 嵐・二宮和也の正月番組のワンシーンが視聴者の間で物議

  2. 7

    橋本環奈《山本舞香と友達の意味がわかった》 大御所芸人に指摘されていたヤンキー的素地

  3. 8

    大谷翔平は来季副収入100億円ガッポリ、ド軍もホクホク! 悲願の世界一で証明した圧倒的経済効果

  4. 9

    夏菜の二の舞か?パワハラ疑惑&キス写真で橋本環奈に試練…“酒浸り”イメージもそっくり

  5. 10

    いまや大谷ドジャースこそ「悪の帝国」だ…カネ&人気&裏技フル活用でタンパリング疑惑まで