お酒が弱い人は肝がんにならないのか
お酒が弱くてあまり飲まなければ、肝がんになりにくい? 武蔵野赤十字病院(東京都武蔵野市)消化器科の中西裕之先生が教えてくれました。
「全然飲まない人と比べれば、たくさん飲む人の方が肝がんのリスクは明らかに高くなります。ただし、『あまり飲めないけれど少しは飲む人』となると、ある意味もっと危険かもしれません」
アルコールは肝臓で代謝されてアセトアルデヒドに変わり、さらに無害の酢酸に変わります。しかし、アルコールの量が多すぎると代謝速度が追いつかず、アセトアルデヒドが血中に残ってしまいます。このアセトアルデヒドには発がん性があり、肝がんに限らず、すべてのがんの危険因子になるのだとか。
「お酒が弱い人は、アルコールの代謝速度が遅く、アセトアルデヒドが残りやすい。だから、少量でも発がんリスクが高いと考えられるのです」
とはいえ、強い人でも適量を超えて飲めば、やはり危険です。厚労省によると、アルコールの適度な摂取量は1日平均20グラム(ビール中ビン1本程度)。毎日は守れなくても、平均してこの程度になるように、1週間内で調整すればOK。ただし、これは飲める人の基準値だといいます。
「あまり飲めない人には明確な基準がありませんが、少なくともこの半量以下に抑えるべきでしょう」
肝臓を回復させるために休肝日を設けることもお忘れなく!