メタボじゃないのに なぜ痩せている人も脂肪肝になるのか
脂肪肝といえばメタボの人がなるものでは? 武蔵野赤十字病院(東京都武蔵野市)消化器科の中西裕之先生に聞きました。
「たしかに、脂肪肝の主な原因は栄養過多ですから、患者さんの多くは肥満傾向にあります。しかし、逆に低栄養が原因で脂肪肝になることもあるのです」
肝臓の仕事は、脂肪を代謝してエネルギーに変換すること。脂質や糖質を取りすぎた時は、代謝しきれず余った分が肝臓の中に脂肪として蓄えられます。それが続くと脂肪肝になってしまうのです。
一方、痩せている人が脂肪肝になる原因の一つは、過剰なダイエットだそうです。
「極端な食事制限をしていると、脂肪の代謝に必要なタンパク質などの栄養素が不足します。すると、代謝されない脂肪が肝臓にたまりやすく、やはり脂肪肝になりやすいのです」
脂肪の代謝に有用なのは、たとえばカルニチン。牛肉やラム肉に豊富なビタミン様物質ですが、他にもいろいろなビタミン・ミネラル類が代謝を助けます。これらを摂取するには、バランスの良い食事をすること。食事代わりにお菓子を食べる人、肉ばかり食べる人なども脂肪肝になりやすいといえます。
「脂肪肝の1割程度は脂肪性肝炎となり、肝硬変に進行します。そうなる前に、食事の栄養バランスを見直しましょう。適度に運動をして、脂肪を消費することも大切です」
痩せているからといって油断は禁物!