薬の服用数は減らせるが…「合剤」が向く人と向かない人

公開日: 更新日:

 岡山大学病院薬剤部の神崎浩孝氏は言う。

「基本的に、合剤は何種類かの薬効成分を組み合わせることで単剤よりも効果を高めることができるものがまとめられています。また、安全性を高めるために胃壁を保護する成分などを組み合わせて合剤にしているタイプもあります。なんでもかんでもひとつにしているわけではないのです。作用機序や効き目が表れる時間が異なる薬を組み合わせた場合でも、臨床試験で効果が認められたものしか認可されていないので心配はありません」

 ただし、合剤は薬の量を調節するのが難しい。そもそも薬は、服用する人の体格によって量を調節すべきものとされている。A薬を1錠、B薬が2錠必要な患者の場合、A1錠+B1錠の成分が含まれている合剤では、厳密には対応できない。

「たとえば、体重が30キロ台の高齢者などは、状態を見ながら処方する薬を調整していきます。ただ、その場合は薬の量よりも種類を変えるケースが多いので、それほど深刻に考える必要はないでしょう。問題は、病気が急性期で症状が目まぐるしく変わる患者さんです。病状によって薬の量や種類を変えて対応していくので、合剤は向いていません。合剤の多くが慢性疾患の薬なのはそのためです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」