2カ月後の発症も…その「湿布かぶれ」は光線過敏症です
■遮光しなければ再発する恐れも
この成分が含まれる湿布薬が厄介なのは、湿布薬を貼っているときは何ともないのに、はがした後に紫外線を浴びると突然発症することだ。
「湿布をはがして1カ月以上経ってから発症することもザラで、2カ月すぎてから症状が出たケースもあります。患者さんは湿布したことを覚えていないケースも多く、“急に水ぶくれができた”と訴える患者さんが夏場には多く受診されます」(水野院長)
湿布に含まれる有効成分は皮膚から吸収され、一部は皮膚の中にしばらく残る。そこに紫外線が当たると、薬剤がアレルギーの原因物質に変わり、それが皮膚に炎症を起こす。
光接触皮膚炎を起こす可能性がある湿布薬はケトプロフェンが主成分の「モーラステープ」「モーラスパップ」「ミルタックスパップ」などの他に、ジクロフェナクナトリウムが主成分の「ボルタレンテープ」など。
「光接触皮膚炎の治療はステロイドの塗り薬が基本で、症状によっては抗アレルギー薬などの飲み薬を使う場合があります。症状がおさまった後も、2~3カ月は同部位に色素沈着をきたします。また、治った後も1カ月ほどは発症した部位を遮光しなければ再発する恐れがある。面倒な病気です」(水野院長)
この時季、紫外線に当たらないように長袖・長ズボンで過ごし、包帯などで覆うなどして湿布が貼ってあったところを隠すのは一苦労だ。夏場、湿布薬を使うときは事前に医師や薬剤師に光線過敏症のリスクを尋ねておくことだ。