声帯ポリープが…手術前に受けるべき「声の衛生教育」とは

公開日: 更新日:

 カラオケでよく熱唱する人、大声で話すことが多い人、ほこりっぽい場所に頻繁にいる人などにできやすいのが、声帯ポリープだ。がんと間違われやすく、手術を勧められがちだが、国立病院機構東京医療センター感覚器センター(耳鼻咽喉科学)の角田晃一医師は“待った”をかける。

「声帯ポリープは命に関わらない良性病変です。それなのに、全身麻酔をかけて行う手術は患者さんの体に負担をかけます。医療費の負担増にもつながる。そこで手術に先立ち私が勧めるのが、『声の衛生教育』なのです」(角田医師=以下同)

 声の衛生教育とは、健康な声を保つ適切な教育のこと。「叫んだり怒鳴ったり大声で笑うことを避ける」「裏声で話したり、無理な高さでの発声や無理な歌唱、ささやき声を避ける」「咳払い、空咳は必要最小限にとどめる」「冷たい空気や乾燥した空気の場所は避ける」などだ。

 声帯ポリープが見つかった場合、欧米では主に言語聴覚士が患者にまず声の衛生教育を行い、声帯ポリープが消えるようにする。

 一方、日本では声の衛生教育について賛否両論だ。手間がかかることもあり、「そんなことをしなくても手術で取ってしまえばいい」と考える医師も少なくない。言語聴覚士が十分にいないという問題点もある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」