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神崎浩孝医学博士、薬剤師

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

「漢方」は日本独特の医療として発展してきた歴史がある

公開日: 更新日:

「漢方」というと「中国」というイメージが強いのではないでしょうか。しかし、実は「漢方」という言葉は、江戸時代にオランダから入ってきた西洋医学=蘭方と区別・対比する形でつけられた比較的新しい日本生まれの言葉で、日本独自の呼び方です。

 5~6世紀以降、中国から日本に医学や薬(生薬)が入ってきました。その後、そうした中国伝来の医学を日本国内の風土や気候、日本人の体質やライフスタイルに合わせて、効く効かないを見極めていきました。薬をつくる際も、中国からの輸入原料ではなく、日本にある原料で代替したり、新たな処方を発明するなどして、進化させてきたのが「漢方医学」です。つまり、現在用いられている漢方医学(漢方薬)は、日本独自の伝統医学として発展してきたものなのです。

 漢方薬には「○○湯」「○○散」「○○丸」といった名称が見られます。○○の部分はその漢方に含まれる生薬(原料)名や構成生薬の種類などを表すことが多く、名前の末尾は剤形を表します。「湯」はエキス顆粒剤(お湯に溶かして飲む前提のもの)、「散」は散剤(生薬を細かくして粉薬にしたもの)、「丸」は錠剤になります。

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