がん治療は情報戦!入院前に知っておきたい「5つの真実」
■執刀医は男性より女性、年齢は40代~50代前半の成功率が高い
病院で執刀医を紹介されたとき、女性や若い医師だと“大丈夫か”と心配になる人も多いだろう。
カナダの住民10万4630人を対象にした調査によると、手術後の合併症の発生率ならびに入院日数、再入院率には男性執刀医と女性執刀医には差がなかったものの、30日以内の死亡リスクは女性外科医の患者の方が12%も低かったという。
「原因は不明ですが、女性医師の方がガイドラインに沿った治療をする傾向にあるうえ、コミュニケーション能力が高い。それが影響しているのかもしれません」
外科医の年齢と手術成績の関係を調べた研究も多い。有名なのは膵臓、肺、食道、膀胱など8種類のがんの外科手術を受けた患者46万1000人を対象にした米国の大規模研究だ。執刀医を40歳以下、41~50歳、51~60歳、61歳以上に分けて「手術後早期の死亡率」を調べたところ、他のがんでは差はなかったものの、膵臓がんについては41~50歳の外科に比べて61歳以上の執刀による手術の死亡率が高かったという。他の食道がんの手術についての研究では、50代前半の外科医の死亡率が最も低かった。