染色体異常を血液検査のみで判定「新型出生前診断」の課題

公開日: 更新日:

 そのため、23組すべての染色体疾患を調べることができ、かつ35歳未満でも受けることができる無許可施設に患者が流れているのが現状だ。

■認可施設ではすべての染色体疾患を調べられない

 筆者はNIPTを受けたり受けようとしている複数の妊婦に取材した。最近、話を聞いた20代会社員のA子さんの、こんな話が印象深かった。

「確かに自身の年齢が下がれば、染色体疾患を持った子どもを生む確率が下がるかもしれませんが、しょせんは確率論でしかありません。20代でも染色体異常のある子どもを生んでいる方もいます。いろいろ配慮した結果だとは思いますが、個人的には年齢制限を設けている理由が分かりませんし、3つの染色体しか調べられないと制限をかける意味も不明です。相対的な症例は少ないかもしれませんが、ダウン症以外などの染色体疾患を持った子どもも生まれています。私は障がいを持つ子どもの出産を否定するわけではありませんが、自分が実際に育てていく自信は今は持てません。だからこそ、出生前診断を受けることにしたのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド