これまで私は、認知症の進行を少しでも遅らせるために「脳にラクをさせないこと」が重要であることをたびたび述べてきた。本、雑誌、新聞、あるいはテレビなどで新しい情報を入力する機会を減らさないようにし、併せて、手紙や日記を書くことによって情報を出力する機会を増やすことで脳の老化を少しでも遅らせるようにと、述べてきた。前回述べたようにさまざまなスキンシップも欠かせない。だが、子どもだけでこうしたプログラムを親にやってもらうのはむずかしい。介護サービスが子どもにとっては大きな助けになることを覚えておくべきだ。こうした家庭以外の環境は親にとっては、新しい経験のできる「新天地」なのである。