いい状態と悪い状態を繰り返すレビー小体型認知症の接し方
子どもにとって大切なことは、「親が本当に認知症なのか」「どんなタイプの認知症なのか」「正しい対応法は何なのか」をきちんと理解することだ。そのためには、何度も述べるが臨床経験豊富な専門医の診断を受けさせることだ。
前回、認知症の中で比率が最も高いアルツハイマー型認知症について述べた。
このアルツハイマー型認知症に次いで多いのが「レビー小体型認知症」だ。レビー小体とは脳の神経細胞にできるタンパク質なのだが、これが脳の大脳皮質や脳幹に蓄積、神経細胞を破壊し、神経伝達を阻害することによって認知症の症状が出る。これがレビー小体型認知症である。アルツハイマー型認知症と併発するケースもある。
このレビー小体型認知症の場合、初期段階の特徴として挙げられるのは、うつ症状や幻視である。幻視の場合、例えば、「天井に虫が止まっている」「(死んだ)夫が笑いかけてきた」と、そこには存在しないものが見えてくる。それによって虫を殺そうとしたり、幻視で見えている亡夫に話しかけたりすることもある。