若宮三紗子さん語る全身性エリテマトーデスとの壮絶な闘い
でも半年後、海外の大会からの帰国時にまた高熱が出て、大事な国内試合に出られない状態になりました。それを機に少量のステロイド錠剤を服用することにしたんです。それからは、不眠という副作用のために睡眠薬も服用しながら国内外の試合に臨む日々が続きました。
同時に生活改善を図り、個人で栄養士に依頼して食事チェックをしてもらい、トレーニングはひとりだけチームとは別メニューにさせてもらいました。睡眠に関しても、いろいろ試してパジャマから布団類まで、すべて買い替えました。海外遠征に行く時は、お米や缶詰、布団を持参していたので荷物は半端ない重さでした。飛行機の超過料金も、とんでもなかった(笑い)。でも、それが大変だとは思いませんでした。試合に勝てるならどれだけでもやろうと思えたんです。
ただ、気圧の変化や時差が体に与える負担は大きく、だんだんとそれまで当たり前にやってきた努力がしんどくなっていきました。同じタイミングで主治医も「そろそろ薬をやめる方向にもっていきたい」と言うので、2016年のリオデジャネイロ五輪を区切りに海外遠征は最後にしようと決めました。