麻黄湯は侮れない インフルでの解熱効果はタミフルより上
タミフルやリレンザなどの抗インフルエンザ薬は、インフルエンザウイルスが増殖にかかわる酵素として知られるノイラミニダーゼの働きを阻害することで治療に結びつけています。
一方、麻黄湯は人間の免疫力を高めて、抗ウイルス効果を発揮。耐性問題がないのはそのためで、タミフルのような副作用リスクも少ないといえます。ただし、使い方に工夫が必要です。漢方薬は、単に病状だけでなくて、「証」という体質によって薬を使い分けます。
その麻黄湯は、風邪や初期のインフルエンザのほか、喘息にも保険適用がありますが、急な高熱と筋肉痛、寒けなどの症状があるものの、発汗がない人に使います。体力がある人に使い、体力がない人には不向きなのです。
同じような症状で、汗をかいて熱っぽく、寒けや頭痛があるようなときは柴胡桂枝湯です。こちらは、体力がない人に向いています。これらの薬でよくなったら、竹筎温胆湯へ。漢方薬は、段階に応じた使い分けも大切です。
(梅田悦生・赤坂山王クリニック院長)