現在も世界で2億人以上が“被害者”に…「女性器切除」の恐怖
FGMの内容は、クリトリスを切除したり、同時に大陰唇と小陰唇を切除したり、さらに腟口を縫合して狭めたり、性器を突き刺す、切り込む、焼く、削るなど。考えただけでもゾッとします。
対象になるのは、主に乳児から初潮前の少女ですが、結婚直前や出産直後の女性に行われる場合もあります。
FGMは伝統的に助産師や「割礼師」と呼ばれる人たちによって、カミソリや鋭利な石、ガラスの破片などを使って、麻酔も薬もなしで行われます。そのため激しい痛みや出血によるショック、感染症などで死亡するリスクがあります。
尿道損傷、失禁、激しい性交時痛、うつ症状などの後遺症も深刻で、心身に多大な影響を与えます。
国連機関の発表では、このような悲惨な目に遭った女子が19年時点で全世界に2億人以上いるとしています。主な国は、アフリカは少なくても29カ国、中東、アジア、南米の数カ国、欧州のアフリカ系移民社会の一部などです。
イスラム圏が多いですが、決して宗教的な儀式ではありません。それは民族の伝統的な女子の通過儀礼として、宗教が生まれる前から2000年以上も続いている風習とされているからです。いくら伝統や文化でも、古き悪習は早く廃絶してもらいたいものです。