食欲不振、下痢、嘔吐で…見過ごされる“隠れコロナ”リスク
厚労省はコロナ感染の相談・受診の目安として〈風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く〉〈強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある〉――と掲げているが、「食欲が出ない」「お腹がゆるい」といった消化器系の軽い症状でも、コロナに感染している可能性があるのだ。
さらに論文は、消化器系に問題があってもコロナ感染を疑わないため、〈消化器系に症状のある感染者は、そうでない感染者に比べ、発症から感染確認まで長い時間がかかる〉と指摘。見過ごされている“隠れコロナ感染者”がウジャウジャいるかもしれないということだ。
■消化器系に症状のある感染者の回復率は34.3%
感染に気づかなければ、重篤化のリスクは高まる。論文では〈消化器系に症状がある感染者は、そうでない感染者よりも重症化するリスクが高い〉と説明。〈臨床医は、下痢などの消化器系の症状が新型コロナウイルスの特徴を有しているだろうと認識すべきである〉〈消化器系の症状のある危険な状態の患者には、呼吸器系の症状が表れるのを待つのではなく、(感染の)疑いの指標を早期に上げる必要があるだろう〉――と結論付けている。