英国での「3つの終息シナリオ」と血液抗体検査の役割
③は、患者の隔離、家族の外出自粛、高齢者の社会的距離の維持のほかに、学校・大学の閉鎖と、国民全員の社会的距離の維持など、かなり厳しい制限を課すやり方だ。
「ただし、継続的に行うのではありません。施策が効果を発揮して新規感染者が大幅に減れば、規制を緩めてもよいとしています。新規感染者が増加に転じたら、再び規制を強化。これをワクチンが完成・普及するまで、あるいは国民の大半が感染し、集団免疫を獲得するまで続けるというものです。これによって医療崩壊を防ぎ、死者を数万人程度に抑えることができるとしています」
肝心のワクチンは世界各国で研究・開発が急がれているが、完成までに最低1年、増産態勢が整い、本格的に供給されるまでに半年、合計1年半かかるといわれている。なかには2年という人もいる。一方で、3月30日にアメリカのジョンソン&ジョンソン社が、今年9月までに臨床試験を開始し、来年初めには供給を開始するというニュースがあったが、実現するかどうかは分からない。
「感染対策をこの先どれだけ続けるかは、ワクチン次第です。それと③のシナリオを展開するうえで重要なのが、血液抗体検査です」