副腎<上>精神的なストレスは副腎疲労から体調を崩しやすい
戦う相手のストレス要素が多すぎると、コルチゾールを浪費して、副腎は働きっぱなしになって疲れてしまう。副腎が疲弊するとストレスに対抗できずに体への悪影響から、慢性的な疲労感やうつ症状などさまざまな症状が出てくるのだ。
■寝起きが悪く甘いものが食べたくなったら危険
副腎が疲弊した病態の「副腎疲労」に詳しい「スクエアクリニック」(川崎市幸区)の本間良子院長が言う。
「ストレスの中でも短期間の精神的ストレスはあまり心配いりません。つらい仕事の期日が決まっているストレスで先が見えるからです。副腎が疲労しやすいのは、今の新型コロナウイルスの流行のような期日、ゴールが見えない精神的ストレスです。高齢者の親の介護、子供の受験、人間関係などの精神的ストレスも自分ではコントロールできないので、副腎疲労の蓄積によって体調不良を起こす人が多くいます」
副腎疲労も軽症、中等症、重症に分けられる。軽症は一時的なストレスを抱えている人でまだ自覚症状に乏しく、時間の経過とともに解消できる場合が多い。中等症はストレスが重く、副腎が必死にコルチゾールなどのホルモンを分泌して戦っている状態。いわゆる「抵抗期」だ。