副腎<上>精神的なストレスは副腎疲労から体調を崩しやすい
背骨を挟んで左右1つずつある腎臓の上に、ちょこんと乗っかるように位置する小さな三角形をした「副腎」。名称から腎臓の一部と勘違いされやすいが、腎臓の働き(泌尿器)とはまったく関係ない。ホルモンを分泌する「内分泌器」として独立した働きをしている。
副腎は生命維持に不可欠な50種類以上のホルモンを分泌しているとされるが、主にストレスに対処する働きを持つものが多い。副腎は2層構造になっていて、外側の副腎皮質からは「コルチゾール」「アルドステロン」「DHEA」などのステロイドホルモン(副腎皮質ホルモン)が分泌され、内側の副腎髄質からは「アドレナリン」「ノルアドレナリン」「ドーパミン」などのカテコールアミン(神経伝達物質)を分泌している。
ストレスには、「精神的なもの」「肉体的なもの」「環境的なもの」などがある。これらは脳にとっては、すべて同じストレスとして認識される。脳がストレスをキャッチすると、脳から副腎に指令が伝達され、副腎はそのストレスに対抗してホルモンを分泌する。
どのストレスも人間の体に炎症を起こし、健康にダメージを与えようとする。特に「ストレスホルモン」とも呼ばれるコルチゾールは、ストレスによる炎症を抑える手段として血糖値や血圧などをコントロールしたり、免疫機能や神経系なども瞬時に調節したりすることで、ストレスによる体へのダメージを防ぐ役割をしている。