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東丸貴信東邦大学名誉教授、平成横浜病院健診センター長

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。

血液と「貧血」<3>高齢者は食べても鉄欠乏性貧血を起こしやすい

公開日: 更新日:

 まず栄養障害、慢性腎臓病(腎不全)、慢性炎症、消化器のがんや、MDS(骨髄異形成症候群)などが代表的なものでしょう。

 そのうち、身近な栄養障害について詳しく言いますと、高齢者は食べても、栄養分の吸収が悪くなることが第一の原因です。栄養障害は血液中のアルブミン濃度が低いことで分かりますが、鉄やビタミンが容易に欠乏するので、鉄欠乏性貧血や巨赤芽球性貧血(ビタミンB12不足)を起こしてしまうのです。

 さらに、高齢者は足と同様に歯も悪くなっていますので、食事摂取量が不十分なことも貧血の要因となります。

 特に一人で暮らしている独居高齢者は、食事を作ることが面倒であったりして、日々の食事量が少なくなっています。

 特例ですが、胃腸の病気で腸や胃を切除されている高齢者もおられます。

 このような人では、ビタミンB12(動物性食品)や鉄分の吸収が悪くなります。

 注意したいのは、心不全に貧血が合併するケースがしばしば見られることです。さらに腎不全を伴うこともあります。

 高齢者の貧血はこのように、複数の要因が関係していることが多いのです。血液検査で貧血以外に白血球、血小板に異常があれば、血液などの病気も疑うことが肝要です。

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